お元気ですか、MrBachLoverです。
今日は友人が購入hしたC.BECHSTEIがご自宅に搬入されたということでお祝いしてきました。今回はその様子をレポートします。
100歳のC.BECHSTEINの姿
まずはお写真から。
今から100年ほど前に製造されたピアノだそうです。
100歳のC.BECHSTEINの特徴
第二次世界大戦前まではピアノはC.BECHSTEINが一番人気だったのだとか。ラフマニノフも使っていたようです。戦前のBECHSTEINはピアノのストラディバリウスと呼ばれていたそうです。
このBECHSTEINは弦の音が隣の弦の音と混じらないような機構が付いていたり、響版に音を伝える機構に工夫がされていたりと、いくつもの仕掛けがされているそうです。
そして、タッチは友人の好みに合わせて特に軽く仕上げられています。
現代ピアノは88鍵ですがこちらのBECHSTEINは85鍵だったりピアノを支える足が6本だったり、蓋の板が合板ではなく単板で軽かったり、外枠の木が比較的薄かったり、と色々な特徴があります。鍵盤は今ではとても貴重になった象牙が使われているそうです。C3のような大きな音量がでる訳ではないのですが、倍音がたくさん含まれているのでしょう、とてもよく響きます。
いろんな点に置いてとにかく個性的なピアノちゃんです。
1900年頃に製造されたグランドピアノについて
ピアノの歴史をだ取ってみると、
チェンバロ
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フォルテピアノ
↓
プレイエルやエラールなどの近代ピアノ
↓
スタインウェイ、ベヒシュタインなどの1800年代後半から戦前のピアノ
↓
カワイ、ヤマハなどが加った現代のピアノ
て感じでしょうか。
1900年前後に政策されたこのBECHSTEINはフォルテピアノの延長線上にあります。
フォルテピアノHA音域ごとに個性があり、ダンパーを下げても音はピタッと止まるのではなく少し余韻があります。そして、音色には響板の木の温もりがありとっても美しい音がします。
そして、このBECHSTEINもこれらの特徴を全て持っています。
ヤマハとカワイのグランドピアノ
一方で、楽器メーカーとしての歴史が浅いヤマハのピアノは至って合理的に設計されており、
- 全音域に渡ってフラットな音色
- 鍵盤から指を話すとスーパーカーのようにピタッと音が止まる
- 音色はフレームの金属がよく響いてとてもキラキラしている
- 金属フレームを最大限に活用してとても大きな音が出る
といった特徴があります。
これが伝統のある楽器と伝統のない楽器の違いです。
でも、カワイのピアノは音域毎に個性が残っていて、僕は結構好きです。
多分ですけど、そりゃあ音域毎に個性なんかあると、ショパンのピアノ曲をはじめ、全てのピアノ作品は音域が連続的に使われている訳で、途中で音色が変わるっていうのはなんだか変ですよね。だから合理的な設計をしたのだろうと思います。
でもね、合理性だけで割り切っちゃだめなこともあるような気もします。
100際のBECHSTEIで弾いたツェルニー30番
ツエルニーの曲はノンペダルで弾くのが一般的です。でも現代ピアノでツエルニーをノンペダルで弾くと、なんとパサパサした音になることか! お世辞にも音楽的とは言い難い作品になってしまいます。特にテンポをゆっくりにしてツェルニーを弾くと全然曲としての魅力がなくなってしまうのです。
それがこのBECHSTEINで弾くとどうでしょうか。なんとも美しく芸術的な作品に一変するのです。
そうです、ツェルニーの練習曲は本来、フォルテピアノや戦前に作られた現代ピアノで弾いてこそ曲の魅力が現れるのです。
だから、わたくしは自宅のグランドピアノ KAWAI KG-2C でツェルニー30番を弾くときは、仕上げ段階で必ずペダルを入れます。
現代ピアノの性能について
現代ピアノがダメかというと、そんなことは全くなくて現代ピアノでも薄くペダルを入れて響を足してあげるととてもいい音になりますしソステヌートを使ってベースラインを伸ばしつつダンパーで響をコントロールすれば異次元の表現力が手に入ります。
一方で、絶対にいただけないとわたくしが思っている演奏は、お風呂の中で響きまくっているような、ダンパーベタ踏みの演奏です。ダンパーをベタ踏みするのは本当にここぞとという大音量が必要、かつ、和音が濁らない箇所だけだと思います。
それ以外のところでダンパーをベタ踏みすると、音が濁って却って音楽的ではなくなってしまうのです。耳を澄ませてホロヴィッツの演奏を聞いてみるとホロヴィッツは決してペタルを常にベタベタに踏んでいる訳ではないことがわかります。
ではでは〜
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