コンクール予選。通過する人と通過しない人の違いって何ですかぁ?

ピアノ教室

ども。MrBachLoverです。リーマンピアノ弾きの皆様の中にはコンクールに出場した方もおられるかとおもいます。大きなコンクールとかだと予選があります。コンクールなので当然、予選に通過する人としない人がいる訳ですが、コレって何が違うのでしょうか。今回はそのことについて書いてみようと思います。(※ 前提として、アマチュアピアノのコンクールについての記載です。)

レモンちゃん
レモンちゃん

演奏の出来栄えでしょ。それには、一にも二に練習だと思うよ。
いっぱに練習した人には、ご褒美に本選の切符がもらえるんだヨ、きっと。

わたくし
わたくし

レモンちゃん、正解です…、と言いたいところだけど、本当にそうなの???
メカニックなことと音楽表現、どちらを重視するかで結果が大きく違ってくる可能性があるんだ。

コンクールの予選で審査委員が見る箇所

アマチュアピアノ弾きが集まるアマチュアピアノコンクール。

わたくしのような音楽の専門的な教育を受けていない人が出場します。
地区予選では何を見られるのでしょうか。

school コースと salon コースのピアノの先生の今までの話を整理すると、

  • 縦のラインを合わせることが大事
  • 休符ちゃんと休むこと
  • スラーちゃんと繋げること
  • 間違えないこと
  • 止まらないこと
  • テンポ一定であること

のようですね〜

何処にも、

  • 音楽的は表情が豊かであること、とか、
  • 感情に訴えかける演奏であること、とか、
  • 音楽を楽しんで演奏しているのが伝わってくる演奏であること、とか、
  • 演奏からインスピレーションを貰えること、とか、
  • 作曲家の意図した世界観を十分に伝えていること、とか、
  • 奏者の気持ちが演奏に載せられていること、とか、

出てこないですね。。。(笑)

宇宙戦艦ヤマト『愛の戦士たち』で出てくる白色彗星を思い出します。

デスラー総統のセリフ:上と下、脆いモノよのぅ。

このセリフにヒントが隠されています

白色彗星は、上が要塞都市、下がエンジンみたいな土台部分。
宇宙戦艦ヤマトは、白色彗星の下側を徹底攻撃、
穴を開けて突撃して内部から白色彗星を爆破。

そして宇宙戦艦ヤマトのクルーは勝利を手にするのです

ピアノ演奏という球体の上半分と下半分

音楽って、前述のように縦を揃えるとか間違えないとか、
一定のリズムで弾く、といった機械的なこと(下半分)と、

感情に訴えかける側面(上半分)がありますね〜

下半分は体育なのだ!

ピアニストの人って、学生の頃の得意科目が体育だったって人がかなりいるような気がします

反田恭平さんの小学生の頃の夢はプロサッカー選手だった、とか、
清塚信也さん、野球大好きで今でも草野球やってる、とか、
フォルテ君も柔道凄く強かった、とか、
安川加壽子さんも学生の頃の得意科目は体育なのだとか。

ピアノは指で弾く訳ですが、
この指をコントロールするのは
脳の中の運動を掌る運動野

ものしり博士
ものしり博士

解説しよう!
運動野は運動皮質ともいうヨ。 大脳皮質の一部で,表面を電気などで刺激すると筋肉収縮を起す部分なの。 脳幹と脊髄の運動神経細胞に神経信号を送って運動を起させるんだ。 

つまり、運動神経が良い=ピアノが上手。

ただし、それは、ピアノ演奏の下半分のお話。

ちなみに、わたくしは小学生のころ肥満児でして、
年に一回開催される同学年の長距離走では
いつもほとんどブービー賞(最後から二番目)。

拍手と大声援の中、だだ一人、汗ダラオで
頑張ってゴールしてました(冷や汗)

(その後、中学で中1の間だけ卓球部に入りまして、
長距離走の順位は真ん中ぐらいまで上がりました)

上半分が音楽なのです

土台がしっかりした上で、初めて音楽表現ができる。

これって、凄く納得出来ますね〜

しっかりとした体力があり、
指が正確に動いて、
両手がピシっと合って、
ガツンとしたフォルテが鳴らせて、

その上で感情に訴えかける演奏ができれば、

まさに鬼に金棒、ってところでしょうか。

コンクール弾きとは何か。

いわゆるコンクール弾きって、間違いなくあります

審査員は下半分をメチャメチャ重視する。
いや、表現が少し正しくない。

上半分は審査員によってばらつきがあるが、
下半分は共通というべきか。

この傾向は審査員の数が多ければ多いほど、
上半分のばらつきが大きくなるので
より一層、顕著になるのです

すると、どうなりますか?

はい。軍隊のようにビシと揃った
素晴らしいキビキビした演奏の方が通り易くなるのです

でも、叙情的で淡い表現や、
微妙に低音を先出ししてずらした演奏や、
すんごく溜めを作った演奏とかは???

アマチュアがこれやると、
確かに微妙っちゃ微妙な演奏に
なっちゃう場合もあります

けど、

味があるな〜、とか、
うわー、頑張って表現してるよねー、

という、聴衆の心に訴えかけてくる演奏になるのです

が、しかーし。

審査員6人中、この感性にピタッとハマる方は
せいぜい1人か2人。

まあ普通にコンクールの予選は落っこちますよね〜 (笑)
特に審査員が6人も居ると絶望的。

下ばっかり育てても上は育たない

Mahler: Symphony No. 5, Bernstein & NYP (1963) マーラー 交響曲第5番 バーンスタイン
(44:33) 4. Adagietto. Sehr langsam.

を聞いてみてください。

ニューヨークフィルって、
個性の塊みたいな個人の寄せ集め。
なので、縦がズレズレ。

なのに、むっちゃ心に訴え掛けてきます

コントラバスの演奏とか、弦楽器なのに
団員一人ひとりの演奏が聞こえてくる。

バーンスタインは、縦を合わせなさい、とか
一切言わないと思います

一方で、カラヤンは縦めちゃくちゃ重視。
ベルリン・フィルの演奏は真逆に位置していて、
それでいて、かっこいい。

カラヤンが指揮した時代、とあるベルリン・フィルの管楽器奏者は
自分の演奏の失敗を苦にして自殺したそうです・・・ (笑えない事実)

コンクール予選に通過することに一生懸命になり、

  • 縦をあわせる
  • 間違えないで弾く
  • 一定のテンポで弾く
  • 強弱、休符守る

ということにばかり集中していたら。。。

たぶん、わたくしはピアノを弾かなくなります

サ・ヨ・ナ・ラ

コンクールは割り切って受けましょう

自分なら、本当はココ、左右ずらして弾いて、
オーケストラみたいにかっこよく弾くんだよねー、とか、
ここ、敢えて内声をだして分厚いしたいんだよなぁー、とか、
(バッハの曲)上昇音形だけど敢えて dim.して緊張感を高める盛り上げ方が大好き ♥

とか、ゼッタイやっちゃだめなでしょうか???

コンクールの割り切り方(其の壱)

聴き手に合わせるパターン。

コンクール予選の聴き手は審査員だけ。

なので、下側を徹底的に重視した、
ある意味、面白味のない演奏を
するのもアリです

コンクールの割り切り方(其の弐)

自分の音楽を披露する。
モーツァルトはベートーヴェンじゃないよね、
だから、f はデカすぎちゃダメだ。

音質は、ソフトな感じが似合うよね〜
ディベルティメントなんだから、
もっと明るく楽しい感じがいいよね〜

結び:あなたはどっち???

あなたら、どっちをえらびますか?

自分の音楽を披露して、
認めてもらって通るのが正解だと思います

なので、次回は自分の音楽を披露したい

そして、高いレベルの運動性能で
演奏できるように訓練を積んで、
コンクール通過を目指そうと思います

ではでは〜


コメント