お元気ですか、MrBachLoverです。みなさまはピアノテクニックと聞いてどのようなことを想像しますか。目にもとまらぬ速い動きやオクターブで駆け抜ける素早い動きでしょうか。この本をよむとピアノ・テクニックの概念が全く違ったものに塗り替わる方が大勢いるのではないかと思います
今回ご紹介するピアノテクニックの基本(ピーター コラッジオ著)はピアノテクニックについて書かれた本のなかでも抜群に素晴らしい本だと思います
ピーター コラッジオさんって、どんな人なの?
ピアニスト、かつ、真の教育者だと思うよ。もうお亡くなりになられた方だけど、本書の出版は2005年で珠玉の内容が詰まっているヨ
どうして6.6倍なのかについては、1回目の記事をご覧ください
ピアノ・テクニックの基本(ピーター・コラッジオ著)
著者のピーターコラッジオさんはジュリアード音楽院で学び、古典から現代まで幅広いレパートリーを持ち、ハワイ大学の名誉教授を努めた方です
著者の考えるテクニックとは…
ゴルフは遠くまでボールを飛ばしたりどんなコースでも適切にアプローチできるショットなどのテクニック必要です。弁護士や検事は法律の知識などが必要でしょう。いろいろなジャンルでテクニックというものは異なります
でも、必要なテクニックを使えるレベルまで習得していて、かつ、目的を達成するためにテクニックを意識せずに自在に使える必要があります
ピアノも同じこと。
ピアノ演奏中にテクニックを意識していては自分の中にもっている音楽を自在に表現できません
この本の特色
この本の特色は、表現とテクニックの原理や概念と、その合理的な練習方法がバランスよく書かれている点です
内容は2部構成となっていて、第一章はテクニックについて、第二章はバロックから20世紀までの時代の作品の様式について書かれています
第一章に書かれている主な項目は次の通りです
- 初見
- オクターブ奏法
- スケール
- メロディーとブレーズ
- ピアノの美しい響き (など…)
教育者が最も重視すべきは生徒の初見能力を引き上げることだとおっしゃっています。全く同感です
初見について書かれている内容(ほんの一部)
次のようなことが書かれています
- 目と耳と手と頭を総動員する必要がある
- 音符を見てから打鍵するまで3/4秒程度掛かる
- 楽譜は常に3/4秒先の辺りを読む必要がある
楽譜は音を図形で表したもの
楽譜を読むときは、音符を見るのではなく、頭の中で音楽を奏でる必要がある
目で聞いて弾いて、耳で見て弾いて、手で見て聞くつもりで初見に取り組みましょう、みたいなことが書かれていました。これを意識してみると初見が結構上手くいきますヨ
毎日初見を10分とりいれましょう、とか、レッスンでも最初の10分は初見の時間にしましょう、ということも書かれていました
早速、初見やってみた!
今日の練習で初見取り入れてみました
なるほどー、楽譜をみて頭の中で音楽を奏でてみると、なんとなーく音楽が流れます
これ毎日やるとスゴく読譜力がつくと思います。明日も初見やってみよっと。
オクターブ奏法
多分この本を読んだのは15年ぐらい前なんだと思うのですが、内容をほとんど覚えておらず、かつ、当時は読んでもいまいち分からなかったことが多かったと思います
でも、今読み直してみると、ものすごーく大事なことがいっぱい書かれています!!!
オクターブの手の形は扇形にして、人差し指は内側にカギ型に曲げる。こうすることでアーチが出来上がる。ただし、オクターブがやっと届く手の大きさの場合は当てはまらない
手が大きい人は、3,4,5の指と1の指でオクターブの音を捉えるように手を扇形にしておく
手首の位置は低めにしておく
3⇒4⇒5の指でオクターブのメロディーを弾いて、1の指は素早く鍵盤にタッチする
バスケットボールのドリブルの要領で、鍵盤の底まで押さえ込まず、トーンエスケープメントの所までしか弾かない。pとfは打鍵スピードの調整で表現する
結び
本書に書かれている内容はとても大切なピアノの基本的なテクニックばかりです。そして、説明がとても分かり易いです
本からこんなにたくさん学べるとは思いも寄りませんでした
そして、心から尊敬できる素晴らしい著者さんでした
著者さんは、他にもハイドン、メンデルスゾーン、ショパン、シューマン、ドビュッシーなどの作曲家の楽曲の解説付きの楽譜を出版されているそうなので、探してみようと思います
ではでは~
コメント
MrBachLover さん、こんにちは。素晴らしい本の紹介、ありがとうございます。すごい読書家なんですね。働きながらピアノ、運動、読(聴)書と効率よく時間マネージメントされてて素晴らしいです。このシリーズ、とても参考になって、いつも楽しみにしてます。
Gariさん、コメントありがとうございます。とっても励みになります!
まぁ。読書家だなんてお恥ずかしいです。本は少ししか読んでいないんです。ただ、歳を重ねているので結果的にたくさん読んではいますね。(笑)
時間活用に関しては通勤が無いとこうも使える時間が増えるのかと、ここ1年ずーとピアノ練習や運動の時間が確保できています。
けれども、これは時限措置。
今年のオリンピック後は、また通勤が週3回は発生してしまうので、今のうちに早くラフマニノフの音の絵Op.39-2 を仕上げねば。。。
ではでは〜