お元気ですか、MrBachLoverです。みなさま、日本製のピアノに興味はありますか。わたくしは日本製ピアノの大ファンです。カワイも大好きだしヤマハも大好きだし、伝説のピアノ職人の大橋さんの作ったDIAPASONもとっても好きです♥
そんな日本製のピアノのことがまるっとわかちゃう本を見つけたので、今日はその本のご紹介です
ピアノは西洋の楽器でしょ???
真似して作った日本製より海外製の伝統のあるメーカーの楽器のほうが魅力的なんじゃないの???
いやいや、伝統とかって話ではなく、グールドもリヒテルもバックハウスもギーゼキングも、そして、ショパンコンクールまでもが日本のピアノを認めてる。
これは日本製のピアノの実力が高いことを証明していると思うよ
日本のピアノ100年
この本に出会ったきっかけ
高校生の頃、とてもピアノが上手な友人がいました。後に高校の音楽の先生になった彼のお家にあったのは、DIAPASONというブランドのピアノ。
どうしてヤマハでもなくカワイでもなくDIAPASONなの???
って友人に聞いたところ、ヤマハよりカワイのほうが音がいい。でも、カワイよりDIAPASONのほうがもっと音がいい
というのが彼の答えでした
DIAPASONというフランドは、ピアノ屋ドットコムの石山社長がよく褒めているブランドです。そこで、DIAPASONを設計したピアノ技師の大橋さんに関する本を探していたところ、この本を見つけました
この本は、大橋さんだけではなく河合楽器の創業者の河合小市さんやヤマハの創業者の山葉寅楠さんのことも書かれているようだったので、
こりゃ買うしか無いでしょ
と、Kindole版で買っちゃいました
この本を読むといろんな事が分かるのですが、まずは冒頭のエピソードから。
グレン・グールドのお気に入りだった日本製のピアノ
グールドは晩年、愛用していたスタインウェイがボロボロになって使えなくなり、次のピアノを探していました。そんなある日、楽器店で偶然日本製のピアノを見つけたのですが、このピアノ、弾き始めると指がオートマチックに曲を演奏してくれちゃうのだとか。
こりゃ買うしか無いよね〜、ってことで即購入。この日本製のピアノで晩年、ゴールドベルクやブラームスのピアノ曲を何曲か録音したそうです
他にもたくさんエピソードや興味深い話など書かれていますので、本書の中からいくつか印象に残った内容を記します
日本のピアノが何故単なるモノマネではないのか
大橋さんも河合小市さんも元々ヤマハの社員さんです。そして、彼らがヤマハの社員だった頃、ヤマハはC.BECHSTEINと技術提携していて、C.BECHSTEINの最高レベルの技師が4年ぐらい日本に来て、技術トランスファーしてくれたのだそうです
その技師からピアノ設計の根本原理など、ピアノの設計と製造に関する様々な技術を教わったのだそうです
外国のピアノの設計のままで日本で採れる木材を使って楽器を作っても、あまり良く鳴らないそうです
弦の長さを若干長めにすると良い音がするのだとか。
弦の長さと張力、打弦ポイントに関する理論なども習ったそうです
つまり、当時のヤマハのピアノ技師はC.BECHSTEINやSTAEINWAYのピアノのマネではなく、その根本的な設計思想をC.BECHSTEINの最高峰のピアノ技師から受け継いだのです
そして、大橋幡岩さんは、語学堪能。それも、英語だけじゃなくドイツ語もOK !
なので、C.BECHATEINからの技術トランスファーの内容を余すところ無く全て受け継いじゃったようです
ヤマハとカワイの関係
元々、河合小市さんはヤマハの社員さんで、ヤマハで様々なピアノに関する技術を習得したようです。その後、ヤマハから独立して別会社の河合楽器を創業したのです
だから、河合とヤマハの音は似ているのだな〜って思いました
河合小市さんは、アクションの技師でした
なので、河合はヤマハよりかなり先に量産ピアノに3本ペダルを採用出来たのだと思います
河合小市は天才技師で、18個ぐらいピアノ関連の特許を持ってて、そのうちいくつかは海外に逆輸出されたみたいですね
何故、日本のピアノがアメリカで大当たりしたのか
何故、日本のピアノがアメリカで大当たりしたのか。その理由は販売戦略が優れていたことと、楽器のコスパが最高に良かったことの2点のようです
ヤマハがアメリカに進出し始めた当時、販売戦略がすごかった。まず、アップライトでは無くグランドピアノで勝負した点です。アップライトはそこそこコスパの良いメーカーがアメリカにもあったので、安あろう悪かろうのイメージを持たれていた日本の製品なのに敢えてグランドピアノで勝負したのです
でも、ヤマハのグランドピアノはとてもコスパが良いのです
ヤマハのピアノを調査したスタインウェイの社員もうなるほど。
2つ目の、ピアノの性能の話ですが、ヤマハのピアノはとにかく良く鳴ったそうです
わたくしが推察するに、湿気の多い日本の気候でも良く鳴るように設計された日本製のピアノを、湿気の少ないアメリカい持っていくとどうなるのか???
はい、ご想像の通り、めっちゃ鳴るようになるのだと思いまーす
結び
本書は内容がとても充実していて、先週末の日曜日に、
- 朝の散歩でアレクサに読み聞かせしてもらいながら聞いて、
- お昼ごはん作りながら聞いて、
- お昼ごはんを食べながら聞いて、
- 午後もだらだらしながら聞いて、
- 夜も聞いて、
1日で聞き終えましたー
まだまた印象深い話が山のようにあるのですが、この辺りにしておきます
とにかく、ピアノを弾く人、ピアノ演奏を聞く人、全てのピアノ好きにオススメ出来る最高の1冊です
ではでは~
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