【ピアノ本】ある長老ピアニストのひとりごと/田村宏(著)を読み終えて、思うこと。

ピアノ

ども。MrBachLoverです。本日の午前中は、ピアノを弾こう、ピアノを弾こうと思いながらも、ついつい本「ある長老ピアニストのひとりごと/田村宏(著)」を読み始めたら止まらず、気がついたら最後まで読んでしまいました

レモンちゃん
レモンちゃん

夢中になってしまうということは、とっても良書なんだね!

わたくし
わたくし

うん。そう思うよ。日本のピアノ教育の問題とか、東京芸大が共通一次を無理やり導入させられた話とか、どれも興味深いエピソードばかりだったヨ

ある長老ピアニストのひとりごと/田村宏(著)より(後半)

本「ある長老ピアニストのひとりごと/田村宏(著)の後半の中で印象に残った次のエピソードをい紹介します。※前半の話は過去の記事で紹介しています

  • カラヤン氏がウィーンフィルを振らなかった理由
  • 演奏評価の難しさ/審査にはこんなことも起こりうる
  • 東大教授になった教え子
  • ハンガリーの子供の演奏を聴いて
  • 日本の子供のピアノ教育
  • 指のトレーナー、御木本澄子氏のこと

カラヤン氏がウィーンフィルを振らなかった理由

理由は至って属人的(俗人的)なことで、
要するに、どんどん人気が出てきたカラヤンに
自分が追い落とされないようにするために
とある指揮者が策を講じたという話です

マエストロXXXX氏ともあろうお方が…

実に残念なお話です

演奏評価の難しさ/審査にはこんなことも起こりうる

コンクールの審査などで演奏を評価する場合、

  • 技術面
  • 音楽性

で評価するのですが、音楽性に関しては
好みで点が大きくバラつくことがある
という話です

とある審査で田村宏先生と、そのお仲間の方が
きっと上位に入るだろうと思っていた奏者が
結果を出せなかった話。

さらに、その奏者が海外のコンクールで
素晴らしい成績を残した話なども
書かれていました

日本のコンクール、特に小規模のものは
結果を全く気にしないでも良いんじゃぁないか、って
ちょっと思っちゃいましたね。WWWwww-
(わたくしの意見)

あ、だから努力しなくて良いわけじゃなく、

コンクールに取り組む過程、そして、
コンクール本番での自分の演奏内容に対する
自己評価にはとても大きな意味と価値がある
と思います(これも、わたくしの意見)

東大教授になった教え子

田村宏先生の教え子が東大教授になっちゃったって話。
ピアノ教育は、ただ単に音楽教育ということだけではなく、
その子、その人の生きる姿勢という面でも、
教育の影響が及ぶのだ。

という風なことが書かれていました

いやー、まさにその通りだと思います

ハンガリーの子供の演奏を聴いて

ハンガリーの子供の演奏は
実に生き生きとしていたそうです

テクニック的には子供の演奏なのですけれど、
歌心があるのだとか。

その背景として、

戦後復興の時期のハンガリーでは
ピアノの数がそもそも少なくて、
まず、子どもたちは歌を歌って
音楽を学習していたのだそうです

そして、十分指が強くなった頃に
ようやくピアノの学習を始める。

だから、ピアノ演奏に歌心が宿るのだとか。

日本の子供のピアノ教育

翻って日本の子供のピアノ教育はどうでしょう???

ピアノの数は沢山ある(ものには不自由がない)。
そして、指が十分に育っていない3歳とか4歳から
ピアノを習い始める。

その後、歌を覚えるのです

だから、ピアノに歌心が足りない模様。

この話にとても納得。
てか、わたくしはハンガリータイプですけど。

幼稚園の頃は、おじいさんに、
ポッ、ポッ、ポー。鳩ポツ、ポー、とか
いろんな童謡を歌ってもらいました

小学校では音楽の時間に歌を歌いました

中学からピアノ弾き始めた(独学)ので、
歌心があるのかも知れません。
ある意味、これで良かったのかも。(!?)

東山の金さん
東山の金さん

これで良いのだ。

指のトレーナー、御木本澄子氏のこと

田村宏先生には1人、娘さんがおられまして、
その娘さん、指がとても弱かったのだとか。
でも、ピアノ真剣にやりたくなっちゃいまして、
指を強くする必要が出てきました

で、指のトレーナーの御木本澄子氏
(真珠で有名なあのミキモトの一族)
に娘さんの指をトレーニングしてもらって、
指が強くなったのだそうです

それと、もう1つ付け加えると、
ショパンコンクールとチャイコフスキーコンクールに
入賞した有名ピアニスト(たぶん、あの人)は
田村宏先生のお弟子さんで、御木本澄子氏に
指をトレーニングしていただいたのだとか。

他にも読みどころ満載

この他にも、

  • PTNA創設者の方の話とか、
  • 細幅鍵盤ピアノの話とか、
  • バッハの装飾音について(深入りしすぎないこと)とか、
  • 井口基成先生録音のチェルニー三十番に驚いた話とか、

もう読みどころ満載な感じです

前半は、最近のブログに断片的に記載

本書前半のエピソードをいくつか過去記事に記していますので、よろしければ。
※後半の話に戻る

昭和と芸大の話が多い。けど、東京音大も出てきた。

ただ、ちょっと内容的には古い(昭和)のと、
東京芸大に偏っているかも知れません

でも、東京芸大を退職後、
田村宏先生は東京音楽大学の
教授にもなられてます。

ピアニズム系の話は特に出てきませんので、あしからず。

いわゆるピアノ本だと、

  • テクニックの話とか
  • ピアニズムの話とか
  • 脱力奏法とか
  • 重力奏法とか

出てきたりするんですけど
本書に於いてはその様な奏法、テクニックの話は
ほとんど全くと言っていいほど出てきませんので、

あしからず、ご了承のほどを。

結び:音楽家/ピアニストの心得的なことが学べる良書

田村宏先生の生涯に渡るエピソードを拝見し終えて感じたのは、

ガツガツと
国際コンクール入賞を狙って、
名を上げてやるゾー、とか、

有名ピアニストに認められて
華々しく、全世界を股にかけて
活躍だー、とか、

だけじゃなくて、アンサンブルの世界で、
本物の良質の音楽を奏でて、
素晴らしソリストの方と一緒に、
暖かみ、温もりのある、愛に溢れた
音楽活動を繰り広げるのも
誠に素晴らしい!

ということ。

これって、その人の音楽活動の
哲学そのもの。

つまり、どれが正解とか、
無いんですよ。

わたくしも、田村宏先生のように
出来るだけ長生きして、
そして、できるだけ長くピアノを演奏して、
豊かな人生を送りたい。

そう思いました

全てのピアノ弾きにお薦めの1冊です

田村宏先生の演奏したCDも出ています。

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ではでは〜

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