ども。MrBachLoverです。先月あたりからツェルニー40番の練習を再開しています。9番から再開して現在10番の譜読み中。模範演奏のCDとダウンロード音源をそれぞれ1つずつゲットして聴き込んでいるのですが、この2つの模範演奏のあまりのレベルの差に驚いています。模範CDのほうが断然素晴らしいので、奏者を追ってたどり着いた先が、音校(現 東京芸大)。
音校にたどり着いたということは日本人の演奏だね?
そうだよ。最初、ずーっと西洋人の演奏だと思い込んでいたんだ。でも日本人だった。日本人なのに、なんでこんなにネイティブなドイツ音楽の世界が展開できるの???
ツェルニー40番の最高な模範演奏のCD
16年前に新品で購入した模範演奏のCDの
『ピアノ教則シリーズ6 ツェルニー40番 練習曲』
が手元にありまして、久しぶりに聞いてみたら、
ん? なんか凄い!
ツェルニー40番の魅力は、
- コロコロと転がる感じ
- 陽気で明るいお花畑の雰囲気
- ポロン、ポロン、と地球の引力/浮遊感を感じる短いフレーズ
- ちょっとバッハチックな少しだけ長いフレーズ
といったところでしょうか。
これを余す所なく表現し切っています
ほんのちょっぴりヒスノイズが気になるなー、
ということで最近の演奏も某ミュージックストアで
ポチってダウンロードして聞いてみたのですが、
ガク。
曲本来の味の『あ』の字も感じられず、
正確無比に弾いたロボット的な
演奏ちゃんでした
CDの演奏者は東京音楽学校(現 東京芸大)教授してた田村 宏さん
ツェルニー40番の素晴らしい演奏CDの
演奏者さんはさぞかし凄い西洋人ピアニストさん
だろうな〜って確認したところ、
あれれ。日本人。
田村 宏さんでした
興味が湧いて、アマゾンで書籍とか調べてみたら
『ある長老ピアニストの ひとりごと 単行本 – 2009/10/20』
という本を出版されてましたので
とても読んでみたくなり、
ポチっとな。
書籍『ある長老ピアニストの ひとりごと』には、
- 斎藤秀雄さん(指揮者)との出会い
- ピアノの脱力に関する話
- グランドピアノとアップライトピアノの話
- 細幅鍵盤の日本製のピアノの話
などなど、それはもうピアノ大好き人間にとっては
たまらない内容が沢山たくさん詰まっています
そして、飽きさせないストーリー展開もベリーグー。
田村 宏 さんって、どんな人?
田村 宏 さんは(1923年(大正12年)7月 – 2011年(1923年)5月)は、
- 東京音楽学校(現在の東京芸大)を首席で卒業
- 1954~56年にかけてケルンおよびウィーンに留学
- 東京音楽学校(現在の東京芸大)教授・ピアニストの永井進 さんがピアノの先生
の経歴をお持ちです。
田村 宏 さんは『リスト』の弟子の弟子の弟子の弟子だった〜
田村 宏さんのピアノの先生 = 永井進さん。
永井進さんは昭和11年(1936年)から昭和13年(1938年)まで
音楽学校の命でパウル・ワインガルテンさん(ピアニスト)からピアノを学んだ
パウル・ワインガルテンさんは、
エミール・ザウアーさん(ピアニスト)からピアノを学んだ
エミール・ザウアーさんは、
フランツ・リストの最晩年の高弟の一人。
系譜:フランツ・リストから田村 宏まで
フランツ・リスト
⇒ エミール・ザウアー(リストの弟子)
⇒パウル・ワインガルテン(リストの弟子の弟子)
⇒永井進(リストの弟子の弟子の弟子)
⇒田村 宏(リストの弟子の弟子の弟子の弟子)
となります。
そして、田村 宏 さんのウイーン留学先の先生ラウベンシュトラウフさんは、
なーんと、パウル・ワインガルテンさんのお弟子さん。
系譜にすると、
(補足)ラウベシュトラウフさんと永井進さんは、
パウル・ワインガルテンさんの兄弟弟子ということになります
CDタイトル:ツェルニー40番 練習曲 (CDピアノ教則シリーズ)
演奏/解説:田村 宏
このCD、超オススメです
田村 宏さんのタッチ
田村宏さんは、リスト直系のピアニストの永井進さんに
習い始めた時、ピアノを触る前の1週間ずーっと、
『脱力』を教わったのだそうです
その内容は、
- ピアノの蓋を閉じる
- 肩から腕をストンと落とす
- 蓋に自然に着地させる
という内容だったうようです
この時時に習得したタッチが一生の宝物になったみたいです
本来の脱力奏法の指導を垣間見ることができました
この脱力の仕方を導入期、
ピアノ弾く前段階から教えてる人が
いったい何人いるのでしょう???
導入期の指導が如何に大事かを
再認識するとともに、
昨今の言葉尻だけを捉えた脱力奏法論争など、
完全に無意味だと思いました
結び:東京音楽学校の学生気分を味わう。
田村宏さんの演奏の中にこそ真実のピアノ演奏があると思います
ここ数日は、田村宏さんのピアノ演奏を聞いて、
『ある長老ピアニストの ひとりごと 』を読んで、
メトロノームでツェルニー40番 の曲を練習しながら
東京音楽学校の生徒になった気分でピアノを練習しています ♥
ピアノを弾くことって、
コンクールで1等賞を獲ったとか、
音楽院の教授の完全コピーで国際コンクールに優勝したとか、
(反田さんやリウさんのことでは無い)
そういうことではない。
アンサンブルでソリストたちと名演を作り上げ、
ソロ演奏では楽曲本来の味を引き出し、
聴衆の心に本物の音楽を届けるのが
本当のピアニストなんだなー、って思いました
ではでは〜
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