ども。MrBachLover(バッハラバー)です。リーマンピアニストの皆様の中にはレッスンを受けている方もいらっしゃるかと思います。せっかくレッスンを受けるならしっかりと先生の教えを吸収したい。という訳でピアノレッスンに役立つ本の紹介です。
今回は、な、な、なんとー、ロシア・ピアニズムのお話。そして、著者でピアニストの原田英代さん、手がちっちゃいのにラフマニノフをガンガンに弾けちゃう方。本書の後半に書かれてた奏法のアドバイスは本当に役に立ちました。
キミ、この本を随分前に買って積ん読してたよね。
ドキ。ぶっちゃけプロローグで書かれてるロシアの歴史の20ページを読むのがキツかったんだよ。でも、その後のロシアピニズムの確立と系譜からは、もうどんどん読めちゃった ♥
なんで「6.6倍」なのか???、については次の記事をご覧ください
本書『ロシア・ピアニズムの贈り物』の概要
著者でピアニストの原田英代さん、手が小さくてラフマニノフとかとても無理ムリ〜って思ってたみたいなんですけど、モスクワ音楽院でメルジャーノフ教授に手が小さくてもラフマニノフを弾けることを教えてもらってゼロからの修行し直してバリバリとラフマニノフが弾けるようになった方です。
本書の主な内容は、
- ロシア・ピアニズムの確立と系譜
- メルジャーノフ教授の話
- シューベルトの話
- ピアノの弾き方
です。
このうち最初と最後だけ特別にちらっと紹介しますね。
ロシア・ピアニズムの確立と系譜
内容的には、
- ロシア・ピアニズムの確立の話
- ロシア・ピアニズムの系譜の話
に別れます。(確立する過程で系譜が始まっていきます)
ロシア・ピアニズムの確立の話
18世紀頃(モーツカルトの時代)、
ソナチネで有名なクレメンティの弟子の
ジョン・フィールドまで遡ります
ジョン・フィールドはジュ・ペルレという奏法を
ロシアに普及させました
ジョン・フィールドはクレメンティにこき使われてて、
クレメンティがロシアにピアノ売り込んだときに
クレメンティに嫌気さしてロシアにとどまっちゃったらしいです
クレメンティって、ピアノはモーツァルト並に
上手かったらしいけど、ちょっと人間性がなー。
ジュペルレ(奏法)とヘンゼルト先生
ジュ・ペルレ奏法を会得したヘンゼルト先生は、
無味乾燥な練習曲を生徒に与えて指導。
これに対してゲールケ先生のクラスでは、
ショパン、シューマン、リストなどが与えられた。
まもなく、学校の全員がヘンゼルトを称賛しない訳には行かなくなった。
理由は、ヘンゼルトのクラスの生徒のほうが
ゲールケのクラスの生徒よりずっと上達していったから。
このジュ・ペルレの奏法、な、な、なんとー、ラフマニノフのお父さんも
マスターしていたのだそうです
(ラフマニノフのお父さんはジョン・フィールドに師事したこともあるアマチュア・ピアニスト)
リスト現る!
リストも何度かロシアに行ってピアノを教えています。
ロシアでリストにピアノを習った生徒は述べ500人に登るのだとか。
リストの、あの力強く、そして凄くよく回る指は
ロシアピアニズムに確かに受け継がれているようです
けれど、リストはある時、
ヘンゼルトさんの演奏を聴いて
『私にも彼のようなヴェルヴェットの手があったらなあ』
と絶賛。
その他(歌の大切さ、手の柔軟さ)
その他にも、ロシア・ピアニズム(オールド ロシアン メソッド)
においては、まず、歌を習得、2声、3声の合唱を経て
ピアノ習得に入るという話とか、
手が小さかったヘンゼルトが如何にして
ヴェルベットの手を手に入れたか
の訓練の仕方
なども書かれていました
ロシア・ピアニズムの系譜の話
この1冊を読めば、これ以上詳しく
なれないんじゃ無いかというくらい、
ロシア・ピアニズムの系譜が分かっちゃいます ♥
わたくし、ラフマニノフとジョゼフ・レヴィーンと、
スクリャービンが誰にどのようにして習ったのか、
凄く興味があったんです
ラフマニノフはDVDとか見てしってましたけど、
レヴィーン先生のテクニックが、コレまた凄いですよね
で、その先生は、あの名ピアノ教師サフォーノフ先生でした
そして、スクリャービンさんを指導したのもサフォーノフ先生。
サフォーノフ先生はどんな訓練したのか
ちょっと知りたいですよね。
サフォーノフ先生
サフォーノフ先生は生徒に、
- 音階を始めとした様々なトレーニング
- ツェルニー、テオドール・クラク、カール・ライネッケの練習曲
を与え、集中的に技巧の訓練を行ったそうですたそうです
ツェルニーはよく知ってるので、
テオドール・クラク、カール・ライネッケの曲を
YouTubeで探して聴いてみました
メカニック面、カンタービレ奏法などメッチャ鍛えられそうな印象を受けました
ヴァン・クライバーンもロシア・ピアニズムの継承者
ロジーナ・レヴィーンさんもサフォーノフ先生のお弟子さん。
そして、
サフォーノフ ⇒ ロジーナ・レヴィーン ⇒ ヴァン・クライバーン
へと続きます
そして、ヴァン・クライバーンさんは、
な、な、なんとー、第一回チャイコフスキーコンクールで優勝。
当時のチャイコフスキーコンクールの審査員さんは
ソ連の書記長に、
『アメリカ人ですけど、良いですか???(汗)』
ってお伺いを立てたそうです
ヴァン・クライバーンさんの先生の話とかしたら
OK、問題なし、
となった模様。
ピアノの弾き方
これはネタバレになっちゃうから
あまり沢山は書けませんけど、ちょっぴり触れると、
- カラダの重心を何処に置くか(⇒ 胃)
- フォルテは腰で弾く
- 3軸の話(上下、左右、前後)
- 胸は引くのではなく、背中に寄せる感じ
などなど、いろんなヒントが書かれてます
この内容はロシア・ピアニズムに加えて、
著者の原田英代さんがヨガとかかカラダの使い方研究して
導いた結論のようです
このアドバイスを実践してみると、
ショパンop.10−5 の演奏の安定性が格段に上がりました
体幹の使い方って、
本当にピアノ演奏にとって重要だなー
って実感しました
結び:ロシア・ピアニズムは確かに存在する
ピアノが生まれたのはヨーロッパ。
でも、ピアニズムが確立したのはロシア。
モーツァルト、ベートーヴェンをマスターするなら
ドイツ留学なのかもしれません
でも、現代ピアノ奏法を会得するなら、
モスクワ音楽院だよなー、って思います
まあ、この歳ですしモスクワ音楽院は目指しませんけど。
更に言ってしまうと留学するより「先生」が大事。
日本にも立派な先生がたーくさんいます
私が(schoolコースの)先生に習ったことを
いま振り返るとジュ・ペルレの流れを継いだ
奏法であることが分かってきました
師匠選びって、とっても大事です
ではでは〜
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